今回は仮想通貨に関する申告漏れで追徴課税が2億円以上となってしまった会社員の事例を紹介するよ。
2億円以上の追徴課税でもそれ以上に儲けていたんじゃないの?
過去に一時期は儲けていたのかもしれないけど、仮想通貨が下落して追徴課税額が払えないみたいよ。。
仮想通貨とは何か
仮想通貨とは、インターネット上でやりとりできる電子的なお金のことです。
しかし、日本円やドルなどの法定通貨とは違い、国や中央銀行などの管理がなく、自由に発行や取引ができるという特徴があります。
仮想通貨は暗号化技術を使って作られており、改ざんや不正に強い仕組みになっています。また、世界中の誰とでも取引ができるため、新しい送金手段としても注目されています。
仮想通貨の代表格はビットコインと呼ばれるもので、2009年にサトシ・ナカモトという人物によって考案されました。
ビットコインはブロックチェーンという技術を使って、取引の記録を分散型の台帳に保存しています。この台帳はネットワークに参加する多数のコンピューターによって共有され、検証されているため、中央機関の介入や操作が不要です。
ビットコインは発行上限が2100万枚に設定されており、その希少性や信頼性から価値が高まっています。
ビットコイン以外にも、イーサリアムやリップルなど、様々な仮想通貨が存在しています。これらはアルトコインと呼ばれ、ビットコインに改良を加えたものや、まったく新しく作られたものなどがあります。
仮想通貨の種類は年々増えており、2023年には2万種類を超えています。
しかし、その中で実際に取引されているものは数百種類程度でしょう。日本では仮想通貨取引所に登録された安全性の高い仮想通貨だけが売買可能です。
仮想通貨を手に入れるには、仮想通貨取引所に口座を作って、そこで日本円を入金して売買するのが一般的です。購入した仮想通貨は、ウォレットと呼ばれるデジタル財布のようなもので保管します。
ウォレットは取引所に預けることもできますが、自分で管理することもできます。
仮想通貨はウォレット間で自由に送金することができ、海外送金にも便利です。
また、仮想通貨での決済に対応した店舗やウェブサイトなどでは、仮想通貨を使ってショッピングができます。
仮想通貨の価格は需要と供給によって変動し、時には大きく上昇したり下落したりします。
そのため、仮想通貨は価格が固定されていないため、投資の対象となることもあり、仮想通貨に投資する場合はリスクを理解した上で行う必要があります。
仮想通貨(=暗号資産)はこちら↓記事で詳しく解説しています。
追徴課税のポイントは?
仮想通貨の申告漏れに関し以下の事例を時系列に沿って紹介します。
・2016年、ビットコインを購入し、他の暗号資産も取引も始める。
・2017年末には保有していた仮想通貨の価値が約10倍に高騰した。換金価値は4億円以上となった。
・そのため、保有する仮想通貨の大半を別の仮想通貨に交換した。一部は現金化した。
・現金化した分を確定申告した。交換分の取引は確定申告が必要と認識しておらず、確定申告しなかった。
・2021年秋頃、所管の税務署から申告漏れの指摘を受けた。過少申告加算税を含む追徴課税額は2億円以上であった。
さて、ここでのポイントはどこでしょうか?
そうです、仮想通貨を別の仮想通貨に交換し譲渡益が出ているにも関わらず申告しなかったことです。
ん?別の仮想通貨に交換したわけで、現金化していないのだから、譲渡益ってでないのでは?
別の仮想通貨への交換取引を以下の①②に分けて考えてみましょう。
①仮想通貨をいったん売却して現金化し
②その現金で新たな仮想通貨を購入
そうすると、①の現金化の時点で譲渡益が出ているというわけです。
別の仮想通貨に交換した時点で、保有していた仮想通貨の値上がり益が確定したものと考えるよ!
追徴課税額をなぜ払えない?
追徴課税されても仮想通貨で儲けたのだからそのお金で払えばいいんじゃないかしら?
今回のケースでは一時期高騰していた仮想通貨が追徴課税時に暴落しており、手元のお金が足らなかったのです。
一部しか現金化していなかったため別の仮想通貨を交換しただけで、交換した仮想通貨が暴落したことにより、利益がない状態で納税だけ課されてしまうのです。
追徴課税額について自己破産でチャラにできる?
困った時の自己破産、自己破産。ふんふん♪
追徴課税額について自己破産したからといって税金の納税義務は免除されません。
「非免責債権(ひめんせきさいけん)」といって、自己破産をしたとしても支払義務が免除されない債権があり、税金はこれに該当するためです。
■破産法 253条
(免責許可の決定の効力等)
免責許可の決定が確定したときは、破産者は、破産手続による配当を除き、破産債権について、その責任を免れる。ただし、次に掲げる請求権については、この限りでない。
一 租税等の請求権(共助対象外国租税の請求権を除く。)
二 破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権
三 破産者が故意又は重大な過失により加えた人の生命又は身体を害する不法行為に基づく損害賠償請求権(前号に掲げる請求権を除く。)
なんでも自己破産でチャラにできるわけではないのね。。
どんなケースで課税対象とされる?
前の話からのおさらいですが、よくある誤解として仮想通貨を保有しているだけでも税金を納めないといけないというのがありますがこれは誤りです。
仮想通貨を保有しているだけでは確定申告の必要はありません。
一方で、普段は確定申告を行っていない給与所得者であっても、仮想通貨の取引で利益が発生し所得が20万円を超えた場合は確定申告を行う必要があります。利益が発生する場合として、「仮想通貨の売却」や「仮想通貨を使って商品の購入」「仮想通貨同士の交換」が挙げられます。
今回のように仮想通貨で商品を購入した場合も課税の対象となるため注意が必要です。
これは海外の取引所を利用していようが、日本の取引所を利用していようが関係なく課税されます。
利益が20万円を超えたらきちんと確定申告しよう!
利益もなにも損してばっかりで全然儲かっていないよ。。
えびくん、それ以前の話だったわね。。
株での損失なら確定申告でお得になる場合もあるよ!