今までで製造間接費の配賦について学んだけど、具体的にどんな基準で配賦するのかしら?
うーん、何か参考になるモノサシが欲しいね。。
金額とか分量を基準に行うよ!以下詳細に解説するね。
製造間接費の配賦基準は?
製造間接費の配賦は事業活動の実態を反映したものにすることが必要です。
なぜなら、実態のコスト以上に間接費を配賦してしまった場合、原価上昇に伴う売価上昇により本来は製品が持っている競争力を失ってしまうことになります。
あるいは、実態のコストを下回る間接費を配賦してしまった場合、原価が過度に低く売価の減少により収益性がする可能性があります。「本当ならもっと高く売れたはずなのに・・」ということですね。
また、数値は合理的な説明が付くように客観的な基準に基づき、配賦を行うこととなります。
配賦基準の種類について
製造間接費の配賦基準には大きく分けて2つの方法があります。
①物量基準
②金額基準
① 物量基準
「物量基準」は原価の発生が製造現場における「活動」によって発生量が増減するという考え方によるものです。
物量基準は次の3つが含まれます。
①ー1 生産量基準
①ー2 機械時間基準
①ー3 直接作業時間基準
①ー1 生産量基準
生産量基準は製造工程が簡易で、また1種類の製品しか生産していないような場合に適した基準だよ!
だけど、実際は複数種類の製品を製造しているケースが多いので、実務上はあまり採用されていないよ。
生産量基準は、製造間接費実際発生額を総生産量で割ることで実際配賦率を算定します。
各製造指図書で実際生産量を把握することで、各製品ごとの製造間接費を配賦します。
製造間接費配賦率 = 一定期間の製造間接費 / 一定期間の総生産量
①ー2 機械時間基準
機械時間基準は、製造の大半が機械作業で占められるような場合でかつ生産ラインの主力機械を特定できる場合に適した基準だよ!
機械時間基準は、機械や設備の運転時間を基準に製造間接費の配賦計算を行う方法です。
製造間接費実際発生額を総機械時間で割ることで実際配賦率を算定します。
各製造指図書の実際機械時間を把握したうえで、当該配賦率を乗じて各製品ごとの製造間接費を配賦します。
製造間接費配賦率 = 一定期間の製造間接費 / 一定期間の総機械作業時間
①ー3 直接作業時間基準
直接作業時間基準は直接作業時間に比例して製造間接費が発生している場合に適しているよ!
直接作業時間基準は、直接工の作業時間を基準にして製造間接費の配賦を行う方法です。
製造間接費実際発生額を総直接作業時間で割ることにより実際配賦率を算定します。
各製造指図書の直接作業時間を把握したうえで、直接作業時間に乗じることで各製品ごとの製造間接費を配賦します。
製造間接費配賦率 = 一定期間の製造間接費 / 一定期間の総直接作業時間
② 金額基準
金額基準には、2つの方法があります。
②ー1 直接材料費基準
②ー2 直接労務費基準
②ー1 直接材料費基準
直接材料費基準は直接材料費が製造原価の大部分を占めている場合に適しているよ!
直接材料費基準は製造間接費実際発生額を直接材料費総額で割ることにより実際配賦率を算定します。
各製造指図書の実際直接材料費に当該実際配賦率を乗じて各製品ごとの製造間接費を配賦する方法です。
製造間接費配賦率 = 一定期間の製造間接費 / 一定期間の直接材料費総額
②ー2 直接労務費基準
直接労務費基準は直接労務費が製造原価の大部分を占めている場合に適しているよ!
直接労務費基準は、製造間接費実際発生額を直接労務費総額で割ることで実際配賦率を算定します。
そのうえで、各製造指図書の実際直接労務費に当該実際配賦率を乗じて各製品ごとの製造間接費を配賦する方法です。
製造間接費配賦率 = 一定期間の製造間接費 / 一定期間の直接労務費総額
まとめ 製造間接費を配賦する際は実態を反映している配賦基準を使おう
製造間接費の配賦は、①事業の実態を反映していること、②客観的な基準に基づき行うことの両方が重要です。
上記に挙げた例に基づき配賦基準を決定してみましょう。
ハイフ基準の種類はイロイロとあるんだね。
製造間接費は製品と直接紐づかないから、製品と紐づく指標を使うことになるのね。
実務では物量基準よりも金額基準が多かったりするよ!