最近業績がどうも悪いんだよなぁ。。。
あら、えびくん、悪い業績が続くときは固定資産の減損処理を行うことが多いから気をつけてね。
ここでは、検討が漏れやすい本社建物等の共用資産の取り扱いについて解説してるよ!
共用資産とは何か
共用資産とは、通常、単独でキャッシュ・イン・フローを生じさせることはないが、他の資産または資産グループの将来キャッシュ・フローの生成に寄与する資産のことを指します。
減損会計は「兆候の判定」「認識」「測定」のうち、どこのステップの話なのか意識する。
減損会計は 「兆候の判定」「認識」「測定」 の順番で、検討を進めていきます。
兆候の判定ありとなった場合に、「認識」のステップに進みます。
「測定」となった場合は、将来キャッシュ・フローの割引計算を行うなどの計算が煩雑となるため、3ステップ方式で足切りを設けているわけです。
なるべくラクをしたいから、3ステップ方式は賛成だなぁ。
えびくん、「兆候あり」となったら、ちゃんと「認識」に進むのよ。。
共用資産の「兆候の判定」
まず、共用資産のグルーピングには、次の2つの方法があります。
1.共用資産と、その共用資産が将来キャッシュ・フローの生成に寄与している資産又は資産グループを含む、より大きな単位でグルーピングを行う方法
2.共用資産の帳簿価額を各資産又は資産グループに配分して、配分後の各資産又は資産グループについて減損損失の認識と測定を行う方法
1.より大きな単位でグルーピングを行う方法
より大きな単位でグルーピングを行う場合は、1.もしくは2.に該当する場合、共用資産について減損の兆候ありと判定します。
A 共用資産を含む、より大きな単位について、下記①~④における事象がある場合
B 共用資産そのものについて、下記②~④における事象がある場合
① 資産または資産グループが使用されている営業活動から生ずる損益またはキャッシュ・フローが継続してマイナスとなっているか、あるいは、継続してマイナスとなる見込みであること
② 資産または資産グループの使用されている範囲または方法について、当該資産または資産グループの回収可能価額を著しく低下させるような変化が生じたか、あるいは生ずる見込みであること
③ 資産または資産グループが使用されている事業に関連して、経営環境が著しく悪化したかまたは悪化する見込みであること
④ 資産または資産グループの市場価格の下落
より大きな単位なのか、共用資産そのものなのか、どちらにせよ兆候ありとなったら、認識のステップに進むよ!
2.共用資産の帳簿価額を各資産又は資産グループに配分する方法
この場合は、上記の「より大きな単位でグルーピングを行う方法」と異なり、共用資産に減損の兆候があるかどうかにかかわらず、その帳簿価額を各資産又は資産グループに配分することとなります。
当該配分された各資産又は資産グループに先ほどの上記①~④における事象がある場合、減損の兆候があるという判定になります。
ステップを意識して、減損処理が必要か判断しよう。
今回は減損会計における共用資産の取り扱いについて、「兆候の判定」について解説しました。
兆候の判定ありとなった場合は、次のステップである「認識」に進むことになります。
「兆候の判定」は減損会計の最初のステップだよ!
「兆候あり」となってしまった場合の「認識」についてはここで解説されているよー。