グルーピングって横文字だからイメージはしやすいけど、結局はなんだかわからないなぁ。
減損会計の土台であるグルーピングについて解説するね!
減損会計のおさらいはコチラ。
★「兆候の判定」の巻
★「認識」の巻
★「測定の巻」
資産のグルーピングが減損会計のスタート地点
固定資産の使用により、キャッシュを生み出す最小の単位まで資産をまとめて考えることを「グルーピング」といいます。
グルーピングは減損の「兆候判定」「認識」「測定」の各ステップ全てにおいて関係していきます。
なぜなら、減損の判定ないし計算はグルーピングを基礎として行うためです。
そのため、グルーピングを行わないことには減損会計は始まらないといっても過言ではありません。
グルーピングのやり方
グルーピングを決定する際は以下の順番で決定します。
1.キャッシュを生み出す最小の単位かどうか
キャッシュを生み出す最小の単位かどうかにあたっては次の2つのポイントをクリアする必要があります。
①資産との対応関係
キャッシュを生み出している資産との対応関係を見ます。
例えば、以下のグルーピングが挙げられます。
賃料収入がある不動産である → 当該不動産ごと
製造されている製品 → その製品の製造工場ごと
販売収入がある → 当該店舗ごと
【一棟アパートや一棟マンションの場合はどうする?】
例えば、賃貸不動産などの 1 つの資産において、一棟の建物が複数の部屋単位に分割されて、継続的に収支の把握がなされている場合でも、通常はこの一棟の建物単位でのグルーピングとします。
②継続的な収支の把握
継続的に収支の把握がなされているものがグルーピングの単位を決定する基礎になります。
このため、収支の把握が、通常は行われていないが一時的に設定される単位について行われる場合(例えば、特殊原価調査)は該当しません。
収支は必ずしも企業の外部との間で直接的にキャッシュ・フローが生じている必要はなく、例えば、内部振替価額や共通費の配分額であっても、合理的なものであれば含まれます。
2.相互補完性があるか
「1.キャッシュを生み出す最小の単位か」の検討が終わった後にやることがあります。
それは「2.相互補完性を考慮」することです。
相互補完性があると判定された場合には、当該他の単位と一括してグルーピングを行います。
具体的には以下の要素について検討してみてください。
・製品やサービスの性質、市場などの類似性等によって、他の単位から生ずるキャッシュ・イン・フローと相互補完的かどうか
・当該単位を切り離したときには他の単位から生ずるキャッシュ・イン・フローに大きな影響を及ぼすと考えられるか
例えば、X 工場が独立的に原材料を外部から調達できずY工場に依存している場合などが相互補完性に該当します。
グルーピングの重要性
グルーピングは減損の要否を左右する重要な要素と言われています。それはなぜでしょうか。
例えば以下の固定資産があったとします。
グルーピング | ①固定資産の帳簿価格 | ②将来キャッシュ・フロー | ②-① |
---|---|---|---|
資産A | 500 | 400 | △100 |
資産B | 300 | 600 | +300 |
合計 | 800 | 1,000 | +200 |
資産AとBを別個にグルーピングした場合は、資産Aは100の減損損失を計上することとなります。
一方で、資産AとBを一括してグルーピングした場合は、減損損失の計上はゼロとなります。
つまり、グルーピングを細かくすればするほど、減損損失を計上する可能性が高まります。
「将来キャッシュ・フロー > 帳簿価格」の資産グループと 「将来キャッシュ・フロー < 帳簿価格」 の資産グループで相殺された結果、減損損失が過少もしくは減損損失が計上されないリスクがあります。
そのため、会計基準ではグルーピングはキャッシュ・フローを生み出す最小の単位とされています。
グルーピングは慎重に検討しよう
グルーピングはもうマルっと全社で一体化してしまいたいなぁ。。
もちろん根拠があれば全社で一体のグルーピングでも大丈夫だよ!
今回の内容を吟味して、全社一体のグルーピングで本当にいいのか考えてみてね。
えびくんの性格からして、絶対吟味しなさそうだわね。。