分配(配当)可能額を超えた剰余金の分配を行った場合、会社法違反となる。
違法配当は会社法違反となり、経理担当者だけでなく取締役の責任問題にもなるため、他の計算とミスの重みが違います。
それはわかるけど、何に気を付けるのかいまいちわからないなぁ
それじゃぁ、ざっくりポイントだけ伝えるね!
分解可能額の詳細な計算方法はこちら↓
うっかりミス その1.「決算日」ではなく「分配時点」の剰余金を基準に算定してしまっていた。
分配可能額は「決算日時点」の剰余金を基準に算定※します。
決算日後に生ずる見込みの利益(例:グループ会社からの期末配当等)は考慮されません。
ただし、臨時決算を行い株主総会の承認を受けた場合にはこの限りではありません。
決算日後の生じる利益を分配可能額に含めたい場合は、臨時決算を行い株主総会の承認を受けることが必要です。
決算日後に発生した利益は原則として配当できないよ!
※(参考)以下の場合は、決算日以降であっても当該変動を反映します。
①最終事業年度末日後の自己株式処分損益
②最終事業年度末日後の減資差益
③最終事業年度末日後の準備金減少差益
④最終事業年度末日後の自己株式消却額
⑤最終事業年度末日後の剰余金の配当額
⑥法務省令で定める各勘定科目に計上した額の合計額
うっかりミス その2.自己株式を控除するのを忘れていた。
配当可能額の算定にあたっては自己株式の控除を行うことが必要です。
特に期中に自己株式の取得をした場合は、配当可能限度額は減少するため注意しましょう。
分配可能額をエクセルシートで計算している場合は、自己株式まで含まれるように数式の範囲設定がされているか今一度確認してみましょう。
計算しているエクセルシートを注意深く見たら間違っていることがあるよ!
うっかりミス その3.資本準備金と利益準備金も分配可能額に含めてしまった。
資本準備金及び利益準備金を分配可能額に含めてはもちろんダメです。
なのになぜそのような誤りが起きてしまうのでしょう。
その理由として、利益剰余金とその他利益剰余金を混同していることが挙げられます。
◆利益剰余金 = 利益準備金 + その他利益剰余金
配当できるのは「その他利益剰余金」です。「利益剰余金」ではありません。
「利益剰余金」を分配可能額としてしまわないように気を付けましょう。
なお、資本剰余金も同じ(資本準備金+その他資本剰余金)です。
似たような言葉だから混同しないでね!
ミスの事例を知ることでミスは防げる。
ミスを意識することは、計算途中で同じことが起きないように気を付けたり、計算結果を見直す際にとても重要です。
今回の3つのケースを頭の片隅に置くことでミスを疑似体験しミスを防ぎましょう。
ミスするポイントがわかれば配当可能額の計算は怖くないよ!
「給与計算」でミスするポイントについても知りたい場合はこちら↓を見てね!