色々と費用があって、売上原価と販管費に分けるらしいけど、なんだか面倒くさいなぁ。
売上原価と販管費は「売上総利益」と「営業利益」を算出するのに必要だよ!
なるほどね、ちなみに売上原価と販管費は何が違うのかわからないから教えて!
概要:売上原価と販管費の共通点と相違点について
共通点について
まず売上原価と販管費の共通点としては、
企業の業績(損益)を計算するうえで、利益のマイナス要因となる費用という点です。
段階損益の一つに営業利益があります。
営業利益は「 売上高 - 売上原価 - 販管費 = 営業利益 」計算されることになります。
売上原価 ≒ 顧客への価値の提供(売上高)と個別に紐づきで対応関係にある費用
売上原価とは、当期に売上計上した商品の仕入れや製造にかかった費用のことです。
売上原価の計上タイミングは商品を売上計上した時です。
販管費 ≒ 顧客への価値の提供(売上高)と直接的な紐づきはなく、販売活動や管理活動による費用
販管費は略称で、正式名称は「販売費及び一般管理費」となります。
販売費は商品の販売活動に関する費用です。
一般管理費は、企業全体に関する管理活動に関する費用です。
各論1:売上原価の具体例
売上原価を種類別に分類すると次の3つとなります。
①材料費
②労務費
③製造間接費
①材料費
商品を作るために必要な材料調達にかかった費用のことです。
売上原価に占める材料費はあくまで売れた商品に対応する分のみです。
②労務費
労務費はその名の通り、商品を作るために発生した人件費の総称です。
製造に携わる従業員に関する人件費は労務費として計上されます。
「直接労務費」・「間接労務費」について
製造に関する従業員だけでなく、例えば品質管理部門等についても間接的に製造に関係するものであるため、売上原価で計上(間接労務費)されることに留意が必要です。
③製造経費
製造経費は、①材料費や②労務費ではないもので製造に関連する費用が計上されます。
・製造に必要な備品や消耗品の費用
・製造に使用している機械装置の減価償却費
・工場の稼働で生じた水道光熱費
各論2:販管費の具体例
販管費は「販売費」と「一般管理費」に分類されます。
「販売費」
販売費は商品やサービスの販売活動に関する費用です。例えば以下の費用が該当します。
・商品の運送費
・広告宣伝費
・営業人員の給与
・販売代理店に対する販売手数料
「一般管理費」
一般管理費は企業の管理活動に関する費用です。例えば以下の費用が該当します。
・オフィスの地代家賃
・管理部門人員(総務・経理等)の給与
・事務消耗品費
・租税公課(印紙税・固定資産税・自動車税等)
まとめ:売上原価と販管費の区分けは売上との対応関係に応じて判定しよう
今回例示で挙げた費用以外にも様々な種類の費用が存在します。
中には、売上原価なのか販管費なのか判断に迷うようなものも出てくるでしょう。
そのような売上原価と販管費の違いに迷った際はざっくりと以下のイメージで捉えてもらえればと思います。
売上原価 ≒ 価値の提供(売上)と直接的に紐づいていることが明らかな費用
販管費 ≒ 価値の提供(売上)と間接的な関係にある費用
判断に迷うことだらけだなぁ。
なるほど売上との紐づきで見ていけばいいのね。
運送費のように売上と紐づきはあるにはあるんだけど、商品が製造された後の販売活動に関するものだから販管費となるから留意してね!